前作「選挙」もスリリングだったが、更に輪をかけてスリリングなデキ。と同時に観賞後の気持ち悪さも２倍。想田監督のか小作と比較し、氏が前面に出すぎで観察映画としての体は崩れている気はするが、まぁそれはそれで今作に限っては良い方に転んでいる気がする。というか、山さんの怒りの部分は、当時自分が抱えていた怒りに似すぎていて、いまでも冷静に観ることができなかった。放射汚染というものに当時から向き合って、なにかしらのアクションを起こしてきた人間なら皆そうではなかろうか。今も微力ながらもNPO法人の放射能測定室のスタッフとして活動している身として、驚くべき無関心の世の中で、なにを訴えていけば良いのか？どう行動すれば良いのか？そんな思いを感じながらずーっとスクリーンを眺めていた。笑えなかった。
