ハマジン

色情妻 肉の誘惑のハマジンのレビュー・感想・評価

色情妻 肉の誘惑(1976年製作の映画)
3.0
ジプシー老婆(の姿をした男=悪魔)のタロット占いで「セックスしないと死ぬよ!」と予言される。そこから起こるすべての事象は、欲求不満の有閑夫人がひととき見た白昼の妄想だったのかもしれず。
窓の外から聞こえてくる、画面には一切姿を見せないさかりのついた猫の鳴き声。生贄の祭壇に横たわる裸体の上で、首を斬られ鮮血を噴き出す鶏。「f*ck!f*ck!」と猥語を発するオウムの背後にかかるのはゾンネンシュターンの絵画。『昼顔』をはじめとしたルイス・ブニュエル的イメージの数々があちこちにちりばめられている。知性がなくては作ることのできないタイプの映画。監督西村昭五郎、脚本桂千穂、撮影前田米造のよき仕事。
ラストで警察に連行される悪魔の手下たちの「ツラ」が本当にいい。
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