「家族を疎ましく思いつつ逃れられない妙齢の娘」という設定では成瀬巳喜男の『稲妻』を思い出すが、あれを思いっきり負の方向に舵切ったような映画だ。
しかも、『稲妻』で高峰秀子を付け狙っていた小沢栄太郎みたいな男が大量に登場する。
クライマックス、軽トラに軟禁した姉妹に群がる男たちは『天使のはらわた 赤い教室』を先取ったようなおぞましさ。
長女を犯し続ける島村謙次や、長女に思いを寄せる白痴の男・益富信孝など濃いキャラクターが多いが、高山千草演じる母親も強烈だ。
我が夫に犯されている娘を覗いてしまった時の顔！
『田園に死す』に並ぶ怪演だ。
