サトタカ

静かなる叫びのサトタカのレビュー・感想・評価

静かなる叫び(2009年製作の映画)
4.5
カナダでは2009年に公開された全編モノクロの77分の映画。セリフは非常に少ない。
1989年、カナダのモントリオール理工科大学で起きた銃乱射事件がモチーフとなっている。
およそ30年前に起きた事件で、白黒映像なのだが、あまり古さを感じさせない。どういう理由かよくわからないが、白黒の映画を見ている感覚が薄かった。カメラワークとか、撮影の仕方、編集のせいなのかなぁ?フランス語のせいもあるかな?
やっぱりこの監督は風景画のような遠景を撮るのがうまい。そしてキーーーンという効果音の使い方も。
2003年公開のガス・ヴァン・サント監督の「エレファント」。これは米国コロラド州、コロンバイン高校銃乱射事件を扱った映画だが、高校生の起こした事件であり、ガス・ヴァン・サント監督のキャラクターもあり、「静かなる叫び(原題:ポリテクニーク)」に比べると全体的に感傷的というか甘いテイストだったように思う。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の感情を殺して、突き放したような映画とはだいぶ違う。
明らかに研ぎ澄まされ進化している。さすが「ブレードランナー2049」や「DUNE/砂の惑星」といった大作を監督・脚本・製作までして評価される監督は違う。(脚本は書いてない「ボーダーライン」が一番好きだけど)
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