李

静かなる叫びの李のレビュー・感想・評価

静かなる叫び(2009年製作の映画)
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1989年に起きたモントリオール理工科大学虐殺事件。フェミニズム反対者によるヘイトクライム。犯人に動機があるにせよ、それもあまりに身勝手。(実事件の犯人マルク・レピーヌは、幼少期から父親に徹底的に女性軽視の思想を植え付けられ、自分がこの大学の受験に失敗したのは男性が占めていた工科大学に女性が進出してきたから、行き過ぎた教育を女性に施すフェミニストは殺害するべきと考えたそう。)白黒の画面で淡々と描かれる学生の日常が崩れ去る様子と事件を目の当たりにし生き残った人に残されるPTSD、どうにも抗えない事件の行方に何を思えば良いのか分からなかった。大切な人を失った傷を抱えながらでも強く生きていかなければならない… ただ、こうやって映画として製作されたことで多くの人に事件を知ってもらえるし、私も知れて良かった。ドゥニ監督の作品は全部観たいなと思う。
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