どうなることかと思ったが、息子たちの本当に素直な育ちのよさと、母親たちの愛情深き根気強さに救われた感じもする。
どこかひとつ掛け違えていたら破綻してもおかしくないし、最後までその緊張感はあったように思う。
最後、一瞬、最悪の結末が頭をよぎったのだが、そうはならなかったのでホッとしたと同時に、少し肩透かしを喰らったようなところもある。(ここだけの話、一瞬、通行許可証がもらえたパレスチナの兄貴が、テルアビブで唐突にテロでもやらかして、すべて台無しになり、父親も責任が問われ…、というようなところまで考えてしまったのである。疑いの気持ちは、私自身の中にもある、と言わざるをえないのだが、とはいえ、そうなってもおかしくなと思われるほどに、パレスチナ-イスラエル問題は根深く複雑なものとなっているように思う)。結果的に、よくもわるくも希望のある終わり方になってくれた、と言っておく。
それにしても、家族みんなで歌うシーンが素晴らしかった。歌詞が分かれば感涙必至なシーンだったんじゃないか、とも想像する。