雨宮はな

もうひとりの息子の雨宮はなのレビュー・感想・評価

もうひとりの息子(2012年製作の映画)
3.0
自分を自分たらしめるものは何だろう?
たかが出自の情報だけで否定されたり、あっというまに変えられてしまう。

自分を理解すること、しっかりと軸を定めて自己を保つことは重要ではないのかもしれないとさえ思えてしまう。
ヨセフとヤシンはそんな不安定な状況を叩きつけられながらも「自分はこうしたい」という気持ちや考えに従って行動し、周囲に用意された「どっちかで生きていく」という壁を取り払った。

母親の状況を受け入れる柔軟さ、男性の「無かったことにする」という事実・責任回避癖、優しく見えてまったく融通のきかない宗教性など、世の中がぎゅっと凝縮されていて見ごたえ抜群だった。
雨宮はな

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