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レディ・チャタレーのNのレビュー・感想・評価

レディ・チャタレー(2006年製作の映画)
3.0
2017.11.4(Sat)
D.H.ロレンスが原作ってことで見た。
TSUTAYAにこれしかなかったからこれ借りたけど他にも映画化作品あるの知らなかった。せっかくなら1番評価されてるやつ見たかったけどどれが1番いいんだろう。
こういう作品は心理描写がしっかりわからないとただのポルノ映画になりがちだけど、上映時間が3時間近くあるだけあって丁寧に描かれてるなと思った。コニーの欲望の噴出を卵の孵化で象徴してるシーンとか、暗示がたくさんあって文学的だった。あとコニーとメラーズが裸で森の中を駆け回るシーンは、眺めのいい部屋にも同じようなシーンがあった。眺めのいい部屋の方が出版された年は早いけど、ロレンスとフォースターは親交があったから、どっちが影響を受けたのか気になった。特に花を添えられた裸体のコニーがギリシア神話の女神みたいで、フォースターがそれとなく暗示してたモチーフを率直に使ってると思った。フォースターは他の作品でも、ロレンスほど直接的ではないにしろ、自然を文化や文明にとらわれない人間の営みと結びつけてそれを賛美してる。それだけ当時は社会の抑圧とか自己の解放が切実な問題だったんだなと思った。
でも最後もはっきりしないし、表情とかから推察する自分の解釈だけではこの作品の主旨が全体的にぼんやりしてしまった。原作と違うところもたくさんあったし、原作をちゃんと読んでみたいな。美術とか衣装は上品さがあってすごくよかったけど、物語的にはあんまり心に響くものがなかった。
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