ゆかちん

ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金のゆかちんのレビュー・感想・評価

2.7
事実は小説よりも奇なり。
アメリカンドリームてのは良いことだけど、そこに「バカ」をくっつけると恐ろしいことになってしまうんだな〜。

マーク・ウォールバーグとドウェイン・ジョンソンのクライムコメディということで見たけど、これコメディか?と思うような居心地と後味の悪さ。まあ、バカバカしいところもあるし、軽めのタッチで最後まで行ってたからコメディとも言えるけど。

あと、MCUのファルコン/二代目キャプテン・アメリカのアンソニー・マッキーも主要3人の1人やのにポスターにいない。
当時はMCU出演前やからまだそんなに有名じゃなかったから?でもこの役ならちょこっとでも映って然るべきやのにね。



1990年代に実際に起きた誘拐事件について「マイアミ・ニュー・タイムズ」でピート・コリンズが記したルポが原作。

筋トレだけが生きがいのジムトレーナーのダニエル(マーク・ウォールバーグ)は、自分の冴えない人生にうんざりしていた。
そこで彼はジムに通う裕福なビジネスマン、ヴィクター(トニー・シャルーブ)の誘拐を計画する。
早速彼はジムで共に働くエイドリアン(アンソニー・マッキー)と、ジムの新入りで前科者のポール(ドウェイン・ジョンソン)と共に誘拐を決行するがーーー。



これ、作り話ならハハハ〜って流せるけど、実話だから逆に笑えないような…苦笑。

ただ、最初に誘拐されたヴィクターが絶対的に可哀想な人というより、横柄で人から嫌われてて、かつ、潰されても潰れないタフな人物として描いてるし、役者さんもそれを上手く演じてるから良かったな。
これが可哀想なままだと、主人公達の悪が強過ぎて見てられない。一応、主人公達にちょっと同情できるくらいでないと最後まで持たないもん。

愚かな行動でつぎはぎだらけ。
必ずボロが出る。

バカだから学ばず、更に罪を重ね、遂に本当に殺人を犯してしまう。

うーむ。
アメリカンドリームを追い求めるのはわかるけど、脳筋すぎてサイコパスなのかなという笑。
こういう短絡的に過激に繋がる思考はアメリカだからなのか?日本にもいるのかな。だから闇バイトとか出来るの?

バイオレンス描写が容赦なし。
でも、色合いとかカメラワーク、テンポ早いカメラ切替とキャラクター達の動きとか、そういう「撮り方」「見せ方」の工夫があるな〜と思ってたら、マイケル・ベイが監督か。
破壊王、そんなに破壊してない。
ちょっと車の爆破はあったけど。


マッチョでめっちゃ強くて元ヤク中の前科者役のドウェイン・ジョンソン。
信仰心があり、良心がある役どころは良かった。良い人なんか悪い人なんかわからんところ。
ワイスピに出て、波に乗ってきた頃?


マーク・ウォールバーグ、サイコ役似合うなw何考えてるかわからないんだよなーこの人。良い人も悪人も、良い人なんやけど悪人てのもできる。
ダニエル、結局なんも成長してないよな。刑務所入って更生してるて思ってるけど、反省してない気がする。。
根っからの悪人というわけではないけど、だからこそ厄介なところがある、というか。
人のものを奪ってるだけなのに、自分が何か達成したと勘違いしてる。
バカマチズモ。

そういえば、ダニエルが行ったセミナーのジョン・ウー役がケン・チョンだった!この人、こういう感じでよく出てるよな。

アンソニー・マッキーもよかった。テンポ良い話し方とリズム感あっていいし、早口のところラップみたいやった笑。
エイドリアンと結婚する人がレベル・ウィルソンで、これまた良い味だしてた。

あと、なんと言ってもエド・ハリス。
悪役が多めの印象だけど、とても紳士な私立探偵で、キッチリ仕事していくのカッコ良かった!イケオジ!
こういう時、優しい目をするんだな〜って。
悪役とか、悪役ではないけど良い印象ではないの時とは違う雰囲気で、さすがですなと。


出演者豪華で良かったけど、話としては、なんか、愚かで嫌〜な話でした。
楽して成功はしない。
やり手って、そういうことじゃないんだよなーて。
でも、誰でも平等にチャンスがあるんじゃのか?という問も出てきたり。脳筋は成功出来ないの?と。
だから、今作は、アメリカンドリームの幻想に惑わされて侵されて堕落するより、今、目の前にある幸せをしっかり掴んで進んでいくべきだ、と言いたかったんだろうな〜と。

ううむ。でも、これ事実というのは、恐ろしや。
ゆかちん

ゆかちん