YUSUKE@アイアンマンの人

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A’sのYUSUKE@アイアンマンの人のレビュー・感想・評価

5.0
あらすじは長くなるので割愛。Filmarksにおいても近日登録されたばかりといういろんな人に無視されている映画ですが、大変に面白い映画です。シナリオ・キャラクターともに申し分なく、同時期公開の『アベンジャーズ』にも匹敵する出来栄えですが、非常に心揺さぶるのは、フェイトよりも、闇の書の意思(リインフォース)というキャラクターです。 むかし原作者の都築真紀氏が描かれたいろいろの中に「Transaction One」というオリジナルの同人作品があります(紹介してくださった方に感謝を)が、その内容は、愛玩動物として飼育されている人間そっくりの“ペット”を飼っている少年が、ペットの受ける迫害やレプリカントさながらの短命さを目の当たりにしつつ、なにもできないまま諦観して終わる儚げな物語でした。 で、『なのは2nd』ですが、リインフォースも、はやての短命や自分の存在こそが枷になっている、と、すべてに対して諦めた感情に満ちています。フェイトにも、彼女の中の欲しかった(絶対に手に入らないーーそこがまた哀しい)時間という欲求を刺激します(メフィストフェレス的)。 もしかすると、これが都築氏のデフォルトの思考で、それをぶつけたものなのかなと考えてみると、なのは、フェイト、はやての立ち回りが俄然面白く感じられます。自分の持つネガティブな感情を克服しようとする話になるのです。非常に上手い悪役の組み立て方だと思います。 まあ個人的解釈はその辺にして、誰にでもお勧めできる(はずなんだけど)の大傑作です。TVの総集編と言われずに済むべき見事なつくりになっています。 一部に『メビウス&兄弟』っぽいシーンがあるのは個人的にはニヤリとしたところだったり。