日向日向

魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A’sの日向日向のレビュー・感想・評価

5.0
劇場作品公開記念②

前作、今作と過去作の総集編版としての意味合いが強いわけだが、「魔法少女リリカルなのは」たる作品を不動の地位に押し上げたのは二期にあたるこの2nd A'sであると、なのはファンであれば断言するだろう。
故に単純な完成度でいえば、5年以上も前の作品だというのに去年公開のReflectionに並ぶ仕上がりだ。終盤40分は涙を流しまくりだ。
2時間30分という長尺も苦ではない、そう断言できる。

本来であれば、リーゼロッテやリーゼアリアなど、夜天の書に関連するキャラクターが多くいるのだが、それらは尺の都合上カットされており、当初は不安だったがそれは懸念で済んだ。少し複雑ではあるが。
それに加え、今回は序盤からスムーズな流れで戦闘が繰り広げられ、物語と共に戦闘に次ぐ戦闘となるためアニメ作品としても非常に手に汗握る傑作だ。
同時にこれは夜天の書の物語でもあるし、前回救われたフェイトちゃんの物語の続行にもあたるので、前作鑑賞者は間違いなく見るべきだと思う。

前作のレビューの際にも述べたが、今作でも当然ながら家族愛は違う側面でえがかれている。
今回の家族愛は「愛し合うからこそ起こる感情」に主軸が置かれている。
前作のプレシアとフェイトとは異なり、八神はやてと守護騎士4人の生活は幸せそのものだ。はやては4人を本当の家族として受け入れるし、4人もこの生活が永遠に続くことを願っている。
しかし、はやての身に危機が迫った中、4人ははやてに秘密で動き出すのだ。何故話さないか、それははやてが誰よりも優しく、4人を思うからこそ。知られると自分の身を犠牲にしてでも4人を守ろうとするだろう。
自分たちを庇うことにより苦しむはやてを見たくないため、彼女らは悪事に手を染めざるを得ないのだ。
そう考えると、生粋の悪でも何でもない。
家族だからこそ、想いが通じ合っているからこそ深く葛藤し、時にはすべてを伝えられない苦悩に苛まれるのだ。

そう考えると、1作目とはアプローチの仕方が全く違うことがわかる。そういった観点でこの物語を再度鑑賞すると、漫然とするよりか何十倍も深みを感じられるし、なのはという物語の本質を掴むことができると信じている。
そろそろ感情が高ぶって不味い方向へ行っている、ただただDetonationの公開が待ち焦がれるばかりだ。
日向日向

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