このレビューはネタバレを含みます
傑作『ミミック』の続編。
今回は“ユダの血統”自体はそのままで、「観せ方」を工夫したドラマ。
ストリックラー病の後遺症に苦しみ自宅療養しているマーヴィンは窓際に設置している一眼レフから向かいのアパートを覗き写真を撮りながら観察をするのが趣味だ。
妹のロージーはおませで売人からドラッグを入手し服用する思春期の女の子だが、兄のマーヴィンを常にからかっている。
その中で「ゴミ男」と呼んでいる“ユダの血統”の著書も出している男性の行動が怪しい。そんな中で近所の子供やロージーの彼氏らが行方不明になるが、向かいのマンションの地下には“ユダの血統”が巣を作っていて、やがて姿を現し暴れ始める。
このヒッチコックの『裏窓』からインスパイアされたような状況設定以外に前作、前々作から工夫はない。特に主人公のマーヴィンはストリックラー病の後遺症ではあると言っても妹の要請で外に出られたりするのに、目の前で恋人や妹が襲われていてもカメラで眺めて息を呑んでいるばかりだし警察になかなか電話しようとせず、イライラするばかりで別にそれがスリリングな要素として加味されるわけではない。
新作が出る度に予算規模が縮小している事がわかり残念だ。
どうやらMIRAMAXはドラマ版を作る決心をしたようなので、サブスクでまもなく観られる可能性がある。核心部分は面白いのだから期待が高まる。
