ポン・ジュノの映画はツバを吐く人が目立つが、この映画でも漏れなく第1出演者の兵士がツバを吐いて始まる。デビュー作『ほえる犬は噛まない』のおばさん、『殺人の追憶』のソン・ガンホ、『パラサイト』でも家庭教師の話を持ちかける東出昌大似のパク・ソジュンが吐いている。ツバを吐く心理的な理由は諸説あるものの、虚勢を張っている説がしっくりくる。
凍てついた世の中、永久機関を持って走り続ける列車にしか人類が生存してないってメチャクチャなディストピア感は結構好み。閉塞的な空間にいながら分断された社会を打破するために前に進まなければいけないという使命感からくる移動の必然性は良い主題だと思ったが、CGが安っぽかったり、戦闘シーンなど忙しい場面で編集の連続性に欠け視認性がイマイチだった。
橋を渡ると戦闘中断してまでハッピーニューイヤー言わないといけないくらい刷り込まれてるのには笑った。
