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三姉妹 〜雲南の子のmiのレビュー・感想・評価

三姉妹 〜雲南の子(2012年製作の映画)
4.0
色々衝撃的で見てる間中息が詰まった。
画面の隅々から伝わる貧困。
標高が高いからなのかなんなのか、ずっと湿っぽく道はベチャベチャでとにかく嫌な画が続く。

ダチョウ倶楽部より体を張った火の扱い方に驚愕するとともに、本当に寒いんだろうなということが伝わってくる。素手で火触ったらあかんよ。

LOVELY DIARYと書かれた長女のパーカーが痛々しい。ずっと同じ服を着ており、肌と一体化してないかきになるレベル。
それなのに、出稼ぎから一時帰宅した父親はまだ着れるっておまえ鬼畜かよ。
そんな父親の髪型がツーブロックだったことと、タバコを吸ってたのはいささか気になった。

長女は確実に肺に何某かの疾患を抱えていると思うので、病院に連れていってあげてほしい。
シラミがうじゃうじゃいるよ。ってそりゃ何年も洗ってないとか色々衝撃的すぎる。
村の小学校椅子がねーのかよ!と思ったら、次のカットで豚が殺されてたりと、色々渋滞はしていたが、とにかく貧しい。
圧倒的に孤独を感じ始めたところに、救いとなる友人が登場したのも束の間、てんこ盛りの羊の糞を拾い集めだし面食らった。
飯を食うシーンがやたらうまそうに見えるのは、それが直接生きるための行為であるがゆえに、そう見えるのだと感じた。
是枝さんも真っ青な家族の生活がそこにはあった。

作品の手法はワイズマンと同じだが、人にフォーカスしすぎてるだけに、何が主題なのか伝わりにくいのだということに気づいた。
しかしながら、好景気にわく中国における陰の部分に、見事に光を当てた力作だと言えるだろう。

自分は随分と贅沢することに慣れてしまったのだと突きつけられた気がした。
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