熱波のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

一回観てよく解らなかったのにしばらく経つと発作のようにまた観たくなり、また観てもやっぱり掴みきれない幻のようで、なのにまたも観たいと思わせるこの映画の磁力は、チラシにある「最後に一目会いたい人」だとかのメロドラマとはまた別の、なにかオイディプス王物語やらマクベスやら神話やらに近い手触りの、どうもこういう人外境の何かに訳もわからず触れてしまう訳のわからない情熱の物語が南半球文化圏にはごろごろあって、随分ひらぺったくなった北半球文化にゲンナリした者は取り憑かれてまたまた観てしまうことになる。