ちゃんゆい

言の葉の庭のちゃんゆいのレビュー・感想・評価

言の葉の庭(2013年製作の映画)
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自然の描写はすごく美しい。
前作よりも、空の色や雲の形が自然に描けている。
雨から晴れ間の変化はいささか都合よすぎる。

東京しか知らない人の作品かなと思ってしまう。
電車の混雑や匂い、うんざりする気持ちは地方に住む人たちにはそもそも肌感がわからない。
想像するワンクッションが挟まるのが勿体無い。

台詞回しが不自然。兄弟間で「あ、ちょ兄貴!」って、とっさに出てこない。
また、2回目に会った人に対して距離の縮まり方が速すぎたり、「あれ?」ってタイミングでは普通人は体は固まらず、目だけ止まったりするほうが自然。

不自然で辻褄が合わない部分はすべて、新海監督の理想の押し付けのように感じる。
演出に作為が出すぎていて、観客は想像の余地がない。

自分で芝居をしてみたり、役者にやらせてから脚本に落とし込んだりした方がいい。情緒というものがない、外側から人間型の枠をはめた空っぽのキャラクターという印象だった。