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オン・ザ・ロードのasatoのネタバレレビュー・内容・結末

オン・ザ・ロード(2012年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

自由とはなにか。

誰しもが自由に生きたいと願うものの、(社会的でない生き方、いわゆる)自由に生きているうちに自由がなにかわからなくなる。気付くと感じているのは「自分は自由なのか…?」
“正しい生き方”から抜け出したことのある人間にしかわからない快楽、そして徐々にアウトローを侵食して行く恐怖や迷いが心に残る。

多くの人が自由を目指す一方で“正しい生き方”で生きてきた人間にしか見えない世界は確実に存在する。
ないものねだりなのか、ふと気付くと隣の芝は青い。
隣の芝に踏み入れて初めて自分の庭もそこそこ青いことに気付くこともあるだろう。
ただ、植えられている芝の種類は異なる。
そもそも得られるものの種類が違うのだ。
欲望に従順な生き方で得られる刺激と社会に従順な生き方で得られる安心、両方とも最大量を得られることは出来ないかもしれないが、どちらをどれだけ欲するか選択する“自由”が与えられている事だけは確かだと思う。

サルには今後も路上での精神が宿り続けているはずだし、ディーンと別の道を歩んだがディーンと同じようにサルもディーンのことが大好きでしょうがないのだとも感じる。
ぼくもこの作品が好きな人が好きだ。
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