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オン・ザ・ロードのhoteltokyoのレビュー・感想・評価

オン・ザ・ロード(2012年製作の映画)
3.9
青年作家のサルは、ある日、自分とは正反対で外交的な務所上がりのディーンと知り合う。自由気ままに生きるディーンの生き方に惹き付けられたサルは、彼らと一緒にニューヨークを飛び出して各地を放浪する旅に出る・・そんな物語。

自由奔放な生き方をする男に憧れて旅をする一人の物書きが、想像以上に長い旅で様々な場所へ行くこととなる。男同士その連れよりも長い時間を過ごしていると、恋人や家族以上の、言葉では存在し得ない存在になることがある。そんな繊細な関係が上手く描写されている本作。

様々な登場人物が登場し、名前を覚えるだけでも精一杯。だからこそ濃密な時間を過ごすことになるのだが、やがてくる旅の終わりに向けて、物語が加速してこれまた言い表せない物悲しさを感じることになる。旅の途中のほぼ砂漠を続く1本道を走行中、車内に入り込む夕日の木漏れ日のようなノスタルジックと合わさり、とても印象深く残る本作だった。それでも終わりが見えているという。

自由奔放なディールが、車を運転中「いいこと思いついた!」と言って運転席のディールと助手席のサルの間に女性を座らせて、左右にあるジョイスティックをコントロールさせる技は、まさに遊びの達人にしか生み出せないアイデアだと関心してしまった。
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