はんだ

オン・ザ・ロードのはんだのレビュー・感想・評価

オン・ザ・ロード(2012年製作の映画)
3.8
原作は家にあるんやけど読んでないねん。けどこの映画好き ずっとおんなじテンションスピード感で突っ走る感じ、ほんまジャズセッションみたいなエクスタシーと躁と鬱とセックスとドラッグと欲望のまんまでズクズクな感じよ なんかもの作ってる人ならジャズセッションのようにアイデアが湯水のように湧き出て食う寝るも忘れて没頭する瞬間 タイプライター鳴り止まん、指から血出てもギター弾く、タコできるまで筆ペン走らせる、みたいなさ。わかるっしょ ジャズなんよ。ジャズ創作はジャズ。この時代のロックはジャズなんよ。知らんけど。
サムライリーはコントロールのイアンカーティス役が最高やったし、なんなら途中からもうピートドハーティにしか見えなくてどうせいつか撮られるであろうリバティーンズの伝記映画の主役は彼で決まりの筈なので直ぐに誰かメガホンを取るべき年齢の事とかもあるので それにしても日本が戦争にめっちゃ負けてヒィヒィ言うてた頃にこんなイケイケ文学青春ヒッチハイクジャズ野郎がウェーイな感じやったとかにわかに信じられへんけどな。羨ましいやらなんやらよう分からん感覚や。
ほんで今本棚に根はってる原作を根っこごと引っこ抜いて手に取ってみたけど、どうにもこうにも分厚くてな、10代20代で読めなかった自分を呪うしかないって話。多分やけど30代の妻子持ち定職ありのおっさんがこれを読んだところで、「これを読んだところでなぁ」って事になることうけあい 「こんな破天荒な旅を若い頃にしたかったなぁ」なんていくらなんでもクソダサいやないっすか そう俺にとっては路上を読んでいなかった事(旅に出なかった事)がコンプレックスなんよホンマ。人生単位のコンプレックス。それを再確認してもた。そんな映画。
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