東京計画2022

オン・ザ・ロードの東京計画2022のレビュー・感想・評価

オン・ザ・ロード(2012年製作の映画)
4.0
止まることを知らない男、ディーン・モリアーティ。彼の目は常にここではない「どこか」に向いていて、ただひたすらにアメリカを右に左に、移動し続ける。

かたや主人公サル・パラダイスは、育ちの良い「インテリ」。ディーンと出会うまでに何度か西部行きを計画していたが、実際に行動したことはなかった。


“そちらの方向に行きさえすれば、どこかに、女の子も、夢も、あらゆるものも、きっと存在するのだ。その方向のどこかで、真珠がぼくの手に入るのだ。”


何となくだけど、ディーンとサルの関係が、ギャツビーとニック、鼠と僕とシンクロしてしまう。3組とも「何か」を求めてずっと、走り続けているところなど。


“そして誰もが、みすぼらしく年をとるということのほかに誰に何が起きるか分からないのだ。そして、ぼくはディーン・モリアーティのことを考え、とうとう見つからなかったあの老ディーン・モリアーティ親父を考え、そしてまた、ディーン・モリアーティのことを考えるのだ”


辿り着く先に答えがあるとは分からなくても、ただひたすらに道の上を走り続ける。あらゆるものは通りすぎるし、誰もそれを捉えることはできないのだから。