あきっこ

オン・ザ・ロードのあきっこのレビュー・感想・評価

オン・ザ・ロード(2012年製作の映画)
3.8
原作小説を読んでいていまいち分からなかった時代背景や空気感が補完できるかな~と思って見始めた。

アメリカにとっての道の概念を考え始めると本当楽しい。明るい未来や新しい何かを求めて道を移動し続けるのは西部開拓時代から染み着いた習性なんだろうか。いや、そもそもアメリカ大陸が発見されて入植が始まった頃まで遡れるのかも。アメリカという国が開拓され尽くして以降のロードムービーでは、国を横断してメキシコを目指すのが定番になったイメージが強い。
止まったら死ぬのか、動いていたら何かしている気になれるのか、何かを求めて動き続けているのか、何かに追われて動き続けているのか、もはや本人達も分からないのかもしれない。

映画としては、キャストが豪華で、見知った顔がサラっと出てくるから驚く。演技も良いし、ロードムービーには必須の風景も良いし、音楽も印象的。元々のプロット的に仕方ないんだけど、冗長さは否めない。
こういうタイプの作品の実写化における肝って、(『グレイト・ギャッツビー』のジェイ・ギャッツビー同様)ディーン・モリアーティというキャラクターにいかに説得力を持たせられるかだと思ってるんだけど、最後のギャレット・ヘドランドの表情は最高だった。
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