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オン・ザ・ロードのharu3uのレビュー・感想・評価

オン・ザ・ロード(2012年製作の映画)
3.5
作家を志す青年サルと自由奔放に生きる悪童ディーン。酒煙草・ドラッグ・セックスに明け暮れる若者の、米全土を巡る無軌道な旅路を描いたロードムービーです。

ケルアックの原作小説『路上』は中学生くらいの頃に読んでいるはずですが、私そこそこ優等生で潔癖だったため、あまりの倫理観の欠如にこいつら動物かって、受け入れ難かった記憶が…。出会いが早すぎたんでしょうね。単に若者の暴走を助長するだけのオルタナティブ・ファンタジーではないと、今なら違った感想を抱きます。刹那的な快楽を求め放浪の旅を繰り返したところで、いつまでも輝きが続く訳もなく。

ディーンの魅力は、決して自らの行いを正当化しないところ。後ろめたさを感じる程人は如何に自分が正しいか綺麗事を並べますが、彼が言い訳をしたのは劇中たった一度だけでした。
とはいえサルが惹かれてやまない男のカリスマ的魅力は、原作程は感じなかったかな。かつてコッポラはディーン役に、Mブランドやブラピの名を挙げたそう。観たかった!

ロケーションはほんと最高でした。乾いて赤茶けた砂と青空の色の対比が美しい。この風景を思い浮かべながらもう一度、原作小説を読みたいと思います。
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