湯っ子

小さな悪の華の湯っ子のレビュー・感想・評価

小さな悪の華(1970年製作の映画)
3.9
あまりにも反キリスト教的で淫靡な内容から、フランス本国を初め各国で上映禁止になり、アメリカと日本のみで上映された作品とのこと。
ふたりの少女は悪に心酔し、サタンに身を捧げることを宣誓する。ふたりだけの秘密、ふたりだけの楽しみ、ふたりだけの世界。少女たちの親はわが子が何を考え・感じているかには無関心で、登場する男たちはどいつもこいつも薄らバカ。
実際10代の少女たちからは、程度の差こそあれ、世界はこんなふうに見えているのかもしれない。と、元少女の私は思ったりする。
だから、小動物に向けられる悪を除いては、どこか彼女たちの所業に痛快さを感じてしまうのだ。
やべえシーンは数あれど、頭のゆるい庭師に大きな十字架を背負わせて追い立てる少女たちのカットには、「これはさすがにまずいのでは…」と思った。
ゴルゴタの丘には旧約聖書のアダムの墓があるという説もあるらしい。物語にそんなに関係のないこのシーンをあえて入れたのには、キリスト教の男性中心思想に対しての反抗もあるのではないかと思う。U-NEXTの配信が最近始まったのは、今の時流にハマってるからなのかも。
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