ハレンチ学園在学生

刺青のハレンチ学園在学生のレビュー・感想・評価

刺青(1966年製作の映画)
5.0
66年大映。3度目の鑑賞。増村保造と若尾文子による最高傑作。新藤兼人の脚本、宮川一夫のカメラ、西岡善信の美術などどれも素晴らしい。特に雨の降らせ方が芸術的。原作は谷崎潤一郎の「刺青」と「お艶殺し」だが本作の基調は「お艶殺し」にある。若尾文子が貫禄がありすぎるため、大店の一人娘というよりはきっぷの良い年増(若尾文子は当時32、3歳だから厳密に言えば大年増になってしまうが)にしか見えないのがあえて言えば瑕疵になるか。とはいえ若尾文子の身体性なくして本作は成立しえないので、谷崎原作の映画化というよりは原作に依拠した別物と考えたほうがよいのかもしれない。