TakahiroImai

永遠の0のTakahiroImaiのレビュー・感想・評価

永遠の0(2013年製作の映画)
2.8
登場する男たちが慰撫し合う映画だった

戦中を生きた者の語りと、それを聞き加速度的に感化される主人公である無職の男

戦中を生きたものの語りはヒロイックかつ巧みで(実際ベテラン俳優達が語る)、それに対して主人公のリアクションは未熟で言葉少なく、一方的に感化されていく

(彼ら話を聞きにいく段取りをつけるのは姉で、主人公が率先して調査するのは一度しか描かれない。合コンの日程を忘れるくらい部屋で文献を読んでいる描写はあるけれど…)


その主人公が合コンで場違いに特攻隊について熱く語るシーンは、映画オリジナル
主人公のあまりな滑稽な姿は、映画の政治的なスタンスが揺らぐ
(右派でも左派でもない)

とにかく、無職の主人公が他者の話を聞く事で「祖父はこういう気持ちで特攻したんだ!」と分かったようになる事の歪さが印象に残った
TakahiroImai

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