前半:緑に囲まれた開放的な病院と後半:都市の大病院の閉塞感ある地下病棟。
鳥や獣の声が木霊する自然の音とディヴィッド・リンチみたいなサウンド・デザイン。
男性医師と女性医師の面接シーンから始まる2つのストーリー。
そして僧侶と歯科医、医師と患者のほのかにホモセクシャルな匂い。
フィジカルに恋愛を重ねる人間と永遠に静止している銅像。
地下のシーンでカメラにずっと不穏な視線をフィックスし続ける女性とか
乱雑に扱われている義足とか
すれ違う集団のシンメトリーとか
それにあのラストシーンには笑ってしまった…!
対比と反復のなかに奇妙なショットが挿入される
そこに独特のユーモアや自然の営みがあって不思議と澄み渡った気持ちになる。
アート作品と映画の境界を軽々超えてしまうアピチャッポンの真骨頂。
『光りの墓』も期待大だ〜