ベビーパウダー山崎

世紀の光のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

世紀の光(2006年製作の映画)
3.5
田舎と都会、過去と現在。出来事を反復させて、日常が捻れていく。たとえ同じ苗を植えたからといって、育つ木々の形は様々。
その大胆な構成が、狙いの一つに収まらないのがアピチャッポン。見えている世界が、遥かにデカい。前半後半の差違で物語を語るようなチマチマとした表現はしていない。異様な通気口が、なにもかも吸い込みゼロにしていく。個人も関係性もUFOも、この果てしない宇宙から眺めれば、ちっぽけな存在。それぞれの木々に違いはあったとしても、その大地は不変。
己の真実を疑い、生まれ変わりを信じ、スピリチュアルとは紙一重。現代医療と手かざし、欠けた肉体と失った心、真の癒やしとは何か。新興宗教アピチャッポンの神秘体験。