Panierz

世紀の光のPanierzのレビュー・感想・評価

世紀の光(2006年製作の映画)
3.6
人間の根源的なもの、恋愛感情や権威主義を医療が進歩しても治らない一種の症状として扱いながらも、そこから視点や対象という変化するものに焦点を当てて症状を未来へ向かう記憶としてポジティブに捉える。臨床をプリミティブに透視するアピチャッポンらしい映画。でも光りの墓を先に観てしまっていたので少し怠さを感じたのは否めない。象徴のシンメトリーで生(世紀の光)と死(光りの墓)を対比させてるっぽいのは面白いからセットで観るべき映画なんだろうけど。それにしてもあの体操のシーンは全体主義のメタファーとしては少し緩慢に映る。そこが異国情緒としてのアピチャッポンの良さでもあるとは思うけどそこを評価するのは本質からズレるのだろう。
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