あの人たちは誰なのか、どこから来たのか。幻想世界の住人のようでありながら、彼らはほんとうは誰にでもなりえて、どこにもいる普遍の存在かもしれない。
埃っぽい寒村、未来の子孫と出くわす少年、父を見送る少…
素朴な生活風景、色鮮やかな自然風景。
本作には映像を阻害する物語性は一切なく、淡々と映し出される映像詩と断片的に入るセリフのみが作家性を浮き彫りにする。
映画芸術における引き算の美学がなんとも素晴ら…
今回も全く意味がわからなかったのだけど上映があるたびに必ず見に行ってしまう。見るたびに少しづつ身体に染み渡っていくような感覚。凍った川に取り残された魚の死骸、父を見送る娘の長く伸びる影、白煙を吐いて…
>>続きを読む美しい映像の数々。山間に広がる草原や冷たそうな川の水、そこで遊ぶ子供達の姿にのんびりと癒された。
"郷愁"といえば聞こえがいいけど、この映画には田舎を後にした悔恨のような、後ろめたさのような感情も…
「ママ 水は機織りなんだね」
これは詩だ、と感じるとき何によってそう感じさせられるのだろうか。
小鳥たちの鳴き声、走りまわる子どもたち、踊る村人たち、さまざまなリトルネロ。
「降雪は人間たち…
最初は、そもそも、カメラの前に存在する、人/物/風景が圧倒的に豊かで、魅惑的で、それらが持っている神秘の力を、そのままフィルムの上に定着させてしまおう、というだけの映画に思えたのだが、段々と、少ない…
>>続きを読む地産品であろうボーダーの衣服に身を包んだ蜜蜂の妖精達。山間に吸い込まれる「アルマーニャ…」の声。夜を走る列車から立ち昇る蒸気が竜みたいでちょっと凄い画だったな。全体としてはフォトジェニックな場面がた…
>>続きを読む山々の稜線をゆったりとした右方向へのパンで捉えるパノラミックなショット。『トラス・オス・モンテス』のこのファースト・ショットに、これはすばらしい映画であると確信する。複雑なところのないロング・ショッ…
>>続きを読むオリヴェイラのような優雅さとは異なり、モンテイロのような人を食ったような道化もなく、コスタのような暗がりとも異なり、ローシャのような死の気配とも異なり、緩やかなポルトガルの大地の時間を捉えることの幸…
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