イチロヲ

明治大正昭和 猟奇女犯罪史のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.5
愛憎のもつれから発生した、実際の事件を再現している実録系映画。「元禄女系図」と同じく、吉田輝雄がストーリー・テラーの立ち位置。東映異常性愛路線の第8弾。

第1試合:東洋閣事件(大浴場ハードコアマッチ)藤江リカ vs 葵三津子
藤江リカがチョークスリーパーで絞め落とそうとするも、葵三津子が必死にガード。そこに、藤江リカの情夫が乱入する。

第2試合:阿部定事件(出刃包丁デスマッチ)賀川雪絵 vs 若杉英二
男女の馴れ合いレスリングの末、賀川雪絵の必殺技「愛しているからこそ憎い」が炸裂。阿部定本人がインタビューに応えているが、実は無許可の隠し撮り。吉田輝雄が素の状態で取材している。

第3試合:象徴事件(鋏デスマッチ)由利徹、大泉晃 vs 金森あさみ、三笠れい子
凶器を手にした女性によるスカッシュマッチ。老齢の色情魔(金森あさの)に可愛がられる、由利徹の試合巧者ぶりに注目。

第4試合:小平義雄強姦殺人事件(七人抜きハードコアマッチ)小池朝雄 vs 七人の女性
小池朝雄はベビーフェイスを装うことで女性を惹きつけてから、突如ヒールターンして強姦行為に出る。七人目との試合終了後、ポリスメンに取り押さえられる。小池朝雄の「女に狂わされた男」が真に迫っており、主演男優賞レベル。

第5試合:高橋お伝(斬首デスマッチ)由美てる子 vs 土方巽
奇形人間・林真一郎を裏切った由美てる子が、林彰太郎を新たなタッグパートナーに指名するが、試合会場に現れず。由美てる子が「男に狂わされた女」を熱演しており、あえなく土方巽に斬首される。そして、回想シーンでは血糊の管が見えている。

どこまでが実話通りなのか分からないが、「本当の悪人は存在するのだろうか?」ということを、考えさせられる内容になっている。
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