ダイナ

ヒットマンズ・レクイエムのダイナのレビュー・感想・評価

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)
4.2
マクドナー監督によるファレル&グリーソンタッグのヒットマン映画。題名の字面から受けるスタイリッシュさに反し内容は殺伐としながらも緩く、バイオレンスと偏見描写が盛り込まれているもののベルギーでの野郎2人の会話劇はおっさん観光旅の雰囲気の占有が大きいです。ヒットマンが主役ながらガンアクションで魅せる作品ではなく、意図せず犯してしまった殺人に葛藤し続ける姿のやるせなさや理詰めと煽りと信念と冗談をぶつけ合う会話劇は銃弾を撃ち合っているようで軽快かつ面白いです。しかし本作、導火線が長い映画といった所で、一触即発の雰囲気がチリチリしている時間が長いので、前半のゆるい雰囲気や会話劇が退屈に感じる人には合わないかもしれません。

監督が撮る作品に共通して思うのは脇役に場を回す重要性を強く置いているなあという所で、血肉通ってる感じが良いです。あと特徴的な痛グロい描写やふわふわとした会話劇も嬉しく終盤の「そうなっちゃっうの!?」展開はもう捻るな〜捻じ曲がってんな〜といった感じで大変好み。面白かったです。監督作「イニシェリン島〜」の主役2人の配役と本作を比較するとニヤニヤできてオススメです。
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