Mamelie

最後の日々 生存者が語るホロコーストのMamelieのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

アウシュビッツ収容所で生き延びたユダヤ人の方のドキュメンタリー映画。

「何かあったらこれでパンでも買いなさい」と母から受け継いだダイヤを、過酷なアウシュビッツ環境の中から今でも守り抜き、代々受け継ごうとする女性のお話には涙が溢れてきました。
また"何もかも奪われたけど魂だけは奪われない"というようなことも仰っていたこの女性の魂の強さに心が揺さぶられました。

私が幼い頃、歴史好きな母に連れられて行ったどこかの『アウシュビッツ展』を思い出しました。
そこで見た小さな丸いトイレの写真やマッチ棒のような人がたくさん立ってる写真、赤い染みが薄く残る白と水色ストライプのパジャマのような上下服や人間の脂で作ったという固形石鹸、根元からバッサリ切ったと思われる長い三つ編みの束になった髪の毛などの現物が展示してあったことは、当時幼いながらも脳裏に鮮明に残っています。

今思うと、こんなにも強烈でトラウマにもなりかねない展示会に幼い我が子を連れて、母はよく行ったな、と不思議でなりません。
あの頃私は小学校低学年だったというのに!!
(母よ、私がどこか道を踏み外して歪んだ思想に成長しなくてよかったね)

このように昔からアウシュビッツ収容所についての知識はあったにしても、こちらの映画で映し出される当時の写真や映像には目を覆いたくなりとても苦しかったです。

それでも観るべき映画。
Mamelie

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