いずぼぺ

最後の日々 生存者が語るホロコーストのいずぼぺのレビュー・感想・評価

4.0

生存者たちのドキュメンタリー。
1998年の制作とあるから、今同じものをの撮ろうとしてもできない。貴重なドキュメンタリーではないだろうか。
アウシュビッツやダッハウなどの強制収容所については学べる範囲で、識ることができる範囲で知識としてはあったがサバイバーたちの言葉の重みは想像を越えていた。
死者にもサバイバーにも想像を絶する苦しみを残して、その建物は今静かに廃墟として佇んでいた。
トイレの片隅からヒソヒソと広がるイディッシュ語の歌の話に胸がつまった。いろんな国籍いろんな言語のユダヤの子どもたちがイディッシュ語でつながった瞬間。
最終決着目前の日々は昨日みた「ヒトラーとの22日間の戦い」にも描かれていた。
人類史上、稀に見る国家による残虐な行為のひとつである。もう一つは原子爆弾の投下である。
学ぶことは大切である。識ることも。
しかし、一番大切なことは二度と繰り返さないことである。
70年前に神が見放したとも思える残虐で熾烈な苦痛を体験したユダヤの民よ。いま現在、貴方がたが得た約束の地で行われていることを見よ。シンプルな問題ではないことはわかっている。わかっているからこそ、貴方がたにしかできないことがあるのではありませんか?先人たちが考えつかなかった別の解決方法を現代の賢人なら考えつくかも。
パレスチナの民よ、どんなに絶望的でもどうにか明日へ生きてください。次の世代のために憎しみではないものを命とともに守り抜いてください。
遠い日本のクリスマスにイスラエルとガザのクリスマスの様子を観て感じたことです。
華々しくクリスマスを祝うことをしたくなくて。
わかってるんです。理想を言うのは簡単かもしれない。でも、誰かが理想を言わなければ忘れてしまうから。
98-101