世界恐慌、第二次世界大戦時のアメリカ大統領。その名をフランクリン・デラノ・ルーズベルト。
ルーズベルト大統領の従妹にあたるマーガレット・サックリーの死後に見つかった日記で明らかになった彼らの不倫関係を軽快なタッチで描く。
1930年代のアメリカ。ルーズベルト大統領(ビル・マーレイ)は忙しい執務の合間に、従妹のマーガレット(デイジー)・サックリー(ローラ・リニー)と過ごす事で安らぎを感じていた。
教科書で名前は知っていたけど、ルーズベルト大統領役に我らがビル・マーレイ。
ゆる〜い。
大統領がこんなにゆるくて大丈夫?っていうぐらい、ゆるい。
ビル・マーレイって"人たらし"だなぁって思う。そんな、"らしさ"が溢れている。不倫なのに何故か許せてしまう雰囲気を、ビル・マーレイが上手く醸し出している。
ローラ・リニーは、どんな作品でもニュートラルな印象。出過ぎず、引っ込み過ぎず。丁度良い存在感。
面白かったエピソードとしては、英米史上初となる、英国王ジョージ6世夫妻の訪米。ホワイトハウスに招かれるのではなく、ルーズベルトの実家であるニューヨーク州ハイドパークに招かれた彼ら。
なんでこんな田舎に!?
食事にホットドッグ出すか普通!?
ナメられてるのかと訝(いぶか)しみながらも、第二次世界大戦前夜のこのタイミングで、イギリスとしてはアメリカの後ろ盾が何としても欲しいところ。文句は言えない。
ジョージ6世の妻、エリザベスを演じるオリヴィア・コールマンがキーキー怒っていて面白い。
ジョージ6世は吃音で、しどろもどろ。エリザベスは更にイライラ。
ん?これはまさか…。
「英国王のスピーチ」のジョージ6世やないかー!!
…と気付いた時は脳神経シナプスが結合して、最高に悦に浸った瞬間きたこれ!!演じるサミュエル・ウエストがハンサムな英国紳士で、また良い。
米国大統領史上初の身体障がい者で、車椅子に乗っていたルーズベルト。そして、吃音に悩む英国王ジョージ6世。
時代を動かした両国の為政者達が抱える弱さが垣間見えた、深夜の執務室での語らいが印象的。
…と、ここまでは良かったんだけど、その後は、やっぱり不倫だからドロドロしちゃったり、いくらルーズベルトでもビル・マーレイでも、ちょっと許されないなという展開で、若干クールダウン。
ま、不倫ですからね。