まや

わたしはロランスのまやのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.3
「トランスジェンダー」が主題というよりそのフィルターを通した「愛」を主題にした物語。
ロランスとフレッド2人だけの主観世界と彼らが「見られる対象物」になる対主観(≒客観)世界の対比はサルトル的な眼差しの哲学をはっきり表出していて良い。冒頭ロランスが寝ている彼女を起こす際に降らせた洗濯物はより象徴化され、中盤でカラフルに空を彩り彼らに降り注ぐ。愛する者同士しか共有できない世界を23歳で描けるドラン、やっぱり天才すぎる……葛藤するフレッドの言葉選び然りドランの認知力の高さは驚異的。
ラストは何回観ても心震える。
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