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わたしはロランスのyksijokiのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.3
絶対泣けると思っていたけどやはり泣けました。感想にするのがすごく難しい作品。LGBTQへの理解が少しずつ進み、カミングアウトに対しても「So What?」とかえせる人は増えてきている気がする。私もいざ直面したらそういう反応は出来る気がするけれど、この映画では不寛容と無関心の差が語られているのではないかという感じがした。その状況を寛容する事はできても自身が捉えていた相手のままで愛し続ける事は難易度が高い。寛容はできても関心を持つことができないという点を非常に重く感じた。

ドランは人の表情を撮るのがすごい上手だしアップで捉えるのがめちゃめちゃ上手くていつもびっくりしてしまう。今作でもロランス、フレッド両人の変化をしっかり表情で収めているカットが素晴らしい。画角サイズの使い分けもあいかわらずの絶妙さ。あとは現実離れした映像表現を唐突に細やかに入れてくるところの感情表現が非常に心に刺さった。詩的な映像表現がすごくよかった。

母の愛もしっかりと描いていてそこも刺さった。ずぶぬれのロランスを迎え入れる母の行動とか素晴らしかったし、フレッドの妹の姉への愛情表現もよかった。

あとは人と人との再会を描くシーンが非常によかった。最後の再会からの対照的な別れとその二人を包む自然の描写が本当に美しくて泣けた。引きの画と寄りの画の使い分け方が本当上手だよねぇとか思ったり。

食堂のシーンも非常に印象的なシーンだった。
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