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わたしはロランスのCinemanのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
5.0
『わたしはロランス』
グザビエ・ドラン監督
2012年公開 カナダ 、フランス
鑑賞日:2013.04.13 u-next

イケメンでユーモラスな講義で生徒にも人気のある大学教授が30歳の誕生日に自分が性同一性障害だと恋人にカミングアウトし、
これからの人生は本来の自分に戻り女性として生きることを告白します。

この作品はカミングアウトしたロランスと恋人のフレッド、かれらの家族、仕事仲間、周囲の人たちとの10年間の関係の変化が語られます。
性同一性障害をカミングアウトした主人公と恋人の愛の絆は。

【Story】
カナダのモントリオールの学校の国語教師のロランス(メルヴィル・プポー)はイケメンでユーモラスな講義で生徒からも人気があります。
ロランスは30歳の誕生日に恋人のフレッド(スザンヌ・クレマン)に自分が性同一性障害で今後は自分に素直になり女性として生きることを告白します。
最初は動揺したフレッドですが彼を応援することを決意してロランスのファッションやメイクのアドバイスもするようになります。

ロランスは学校側から精神病と判断されて解雇され、
驚いた母親ジュリエンヌ(ナタリー・バイ)にも受け入れてもらえず、周囲の人々の圧力の大きさにフレッドも耐えきれず2人は破局してしまいます。

別々の生活を送っていた2人は数年後に再会しお互い今までの暮らしを投げ捨てて旅に出ますが途中でフレッドがロランスがカミングアウトした直後に2人の子を中絶したことを告白したため2人の旅は終わってしまいました。

そしてまた数年後。
著名な作家となったロランスはカフェでフレッドとまた再会します。
しかし2人はお互い別々の道を歩むことを決意します。

【Trivia & Topics】
*平成生まれの天才。
19歳の初監督作品『マイ・マザー』で世界中から注目され自らもゲイであることをカミングアウトしているグザビエ・ロラン監督23歳の時の作品です。

*映像の醍醐味満載。
美しく魅力的な街モントリオールを、特異な色彩感覚、微妙な画角、スローモーションで映し出し、そこに暮らす個性的な人々をまるでPVのような切れ味の良い演出で切り取り、時にははっとさせる演劇的センスに魅了された168分でした。

*受賞歴
カンヌ国際映画祭クイア・パルム賞、同「ある視点」の部最優秀女優賞(スザンヌ・クレマン)、トロント国際映画祭カナディアン作品賞。

【5 star rating】
☆☆☆☆☆
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