スキピオ

わたしはロランスのスキピオのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
2.0
<30歳でカミングアウトってリアリティなくないですかね?>

「Mommy」がよかったので遡って初見だけど、これはグサヴィエドラン監督、黄色信号だなー。

誰が観ても驚く「びっくり箱」的な映像演出の良し悪しは別として、観客置いてきぼりの場面から場面への遷移の仕方、編集に癖がありすぎじゃないかな。「天才」というより「独りよがり」が過ぎる感じがした。

主人公が30歳だかで性同一性障害をカミングアウトってのもなんかリアリティないし、その後に起きることへの対応もすでに「いい大人」のわりにステレオタイプ的でイマイチ。「性的マイノリティーへの偏見」「カミングアウトされた周りの人間の苦悩」「性別を越えたラブストーリー的なもの」と要素も詰め込み過ぎで、その割に3時間近い尺で2時間にも到底収められていない。やっぱり監督のアイデンティティーに関わるテーマだと、熱量がありすぎて客観性が無くついていけないことが多いのは残念。

期待していただけにがっかり。