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わたしはロランスのchi6cuのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
5.0
この映画に対して自分がどう思っているのかがまだ上手くまとまらない。
「どうだった?」と聞かれてすごいとかかっこいいとかよかったとかって感想を言うのがあまりに浅はかな気がして、悩みに悩んで口ごもた末、「もう一度観たい」としか言えなかった。

うまく言えないけど、あまりにも自分の価値観を問われるような作品で動揺した。
「わたしはロランス」という映画への思いが合わない人とはうまくやっていけないかもしれないと思ってしまい、そんな自分にぞっとした。
それくらい、価値観に直に触れられたようで怖い。
感想なんて、簡単に言えない。

「大切な人と観たい」という感想をよく見たけど、私は一人で観てよかったと思う。
鑑賞直後に上手に気持ちをまとめられないし下手なことを言ったらこの映画は後悔する。
映画を通して感性も価値観も透けて見えてしまう気がする。
大切な人がこの作品を観たあと、どう思うのかが気になる反面怖い。
この映画に対する思いに正しいも間違っているも、良いも悪いもないのに、人間は多様で、考えが異なるからこそ面白いと日々思ってきたのに、なんでだろう。

「わたしはロランス」をどう思うか。
この意見がもし合わない人が現れたら反抗心を抱いてしまうかもしれない、と思う自分が愚かしい。
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