りょうた

楽園からの旅人のりょうたのレビュー・感想・評価

楽園からの旅人(2011年製作の映画)
3.5
カットを割り過ぎだ。せっかく長回しで撮影したであろう映像を、細かく切り分けて、3カットにも4カットにも短く分けてしまうのか。映像が「見えない」、被写体が「見えない」。張り詰めた緊張感を備えながらも静かに流れる物語の雰囲気と全く合っていない。(どうして少し寄ったのか、どうしてカットを割ったのか、全く意味が分からない)かと思えば象徴的なショットが長めに映される。あまりにもあからさまな映像表現(ライティングも含む)に嫌気が差した。手垢のついた表現ばかりでこれといった映像がなかった。感動させにかからないでほしい。それに伴うクローズアップはいらない。感動は観客の社会的な許容範囲にしか留まっていない証ではないか。『明日へのチケット』という作品はキアロスタミがいないと成り立たなかったのではないか。
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