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最愛の大地のmhのレビュー・感想・評価

最愛の大地(2011年製作の映画)
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ボスニアヘルツェゴビナ紛争(ユーゴスラビア紛争のひとつ)が舞台のエンタメ戦争もの。
中でも「Genocidal rape」についてが主な題材。Genocidal rapeはユーゴスラビア紛争から戦争犯罪として認められた比較的新しい言葉。日本語訳は虐殺レイプでいいのかどうかもよくわからない。
日本語版Wikipediaにはまだ項目がないけど、日本軍が南京で行ったGenocidal rapeは英語でしっかり書かれているのでびっくりする。ユーゴスラビア紛争のそれよりもボリューム割かれててインパクトが強い。信ぴょう性の低い証言をもとに書かれているみたいだけど、深く読まないひとはそのまま受け止めちゃいそう。もっとも反日プロパガンダではない可能性もあるからうかつなことは言えないんだけども。
閑話休題。
作中に名称は出てこないけど、女性ばかり集められた収容所はrape camps とのこと。これも対応する日本語なし。
主人公の女性は優遇されてて、若い将校に囲われることで複数の兵士からのrapeは免れている。
この映画ではセルビア人が加害者で、ムスリム(イスラム教徒)が被害者なんだけど、クライマックスの最中「いやいやお前たちが先だから」という会話が交わされる。
歴史を紐解けば1944年ムスリムによる、セルビア人虐殺が起こっていたのだった。(ググったけどわからず)
その後、パルチザンのリーダー、ティトのもとでユーゴスラビアは統一を果たす。
そのカリスマ性と少数民族を優遇する政策で、民族も宗教も異なるひとたちが共存する社会主義国家を実現する。
チィト大統領の死後、民族主義運動が高まりを見せてついには武力衝突に達する。
そんな流れみたい。
エミールクストリッツァの作品ともつながるし、「サラエボの花」ともつながるので、非常に勉強になった。
脚本、監督のアンジェリーナジョリーがすごいね。
面白かった!
mh

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