ぽち

ヌードの夜/愛は惜しみなく奪うのぽちのレビュー・感想・評価

2.4
石井監督の作品は「フィギュアなあなた」しか観たことが無かったので、その3年前に作られた今作も悲惨な内容だろうと思い観たのだが、「フィギュア~」よりこちらのほうがかなり出来が良い。

と言ってもそのほとんどは竹中の演技と竹中という役者のキャラクターのおかげで、演出やポイントを外している脚本はやはり素人臭く実力の無さがうかがえる。

しかしそれ以上に失敗だったのがヒロイン佐藤のキャスティング。
乳はデカイし脱ぎっぷりも良く、演技もそれなりなのだが、ストーリー上重要な設定が「少女のような」「天使のような」女性で、これを外すと物語が成立しない。

で、今作ではここを大きく外してしまったので、紅次郎が女性の罠にかかり溺れて行く過程に無理があり感情移入が出来ない。ラストの捨て身の女性への気持ちも白々しく見えてしまう。

「乳・ヘアー」を捨ててエロ度を極端に下げてでも「少女・天使」をとれば2ランクアップの作品だったのに残念。

全体としては、初期の大友克洋のようなノワールな雰囲気を楽しめたし、竹中は魅力的に撮れていたので、流して観るとそれなりに楽しめる作品だろう。
ぽち

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