のわ

ヌードの夜/愛は惜しみなく奪うののわのレビュー・感想・評価

2.3
【 ささやかな光。】

石井隆の新作、それだけで僕は胸が躍る。
だが、近年の作品群はどれも突き抜けない袋小路で迷走して見える。
本作も決して優れてはいない。
物語として追うならば凡作だ。
ヒロイン佐藤寛子の不自然なまでの脱ぎっぷりも嫌味な匂いがする。

それでも、それでも本作は他の石井作品に違わず輝いて映る。 汚れた世界、その濁りの中に、極めて純粋な人の“生”が息づいている。
特に本作の結末は、いつになく“光”が宿る。
そこに僕は新しい光を感じられた。
それだけでも、僕にとってはこの作品は収穫のあるものだった。
石井監督が、壁を越えて、1つ先の作品へと歩み出てくれる事を切に願う。  

どーでもイイ余談だけど、歌舞伎町のロケ場所が大方わかる自分は あぁ、歳をとったというか、大人になったんだなぁ、と思った。
『GONIN』の頃はあのバッティングセンターも行った事なかったのになぁ。
のわ

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