トゥーン

ヌードの夜/愛は惜しみなく奪うのトゥーンのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

名作『ヌードの夜』の続編だが、作らなければよかったとは言わせない圧倒的クオリティ。
石井隆監督、安定のライティングとカメラワークのかっこよさ。ネオンがぎらぎらと照らす。露光オーバー気味の映像は、強みの光を華麗に演出している。特に、素晴らしいのがラストのドゥオーモは神がかっている。れんの死に際の美しさは本当に素晴らしい。画面の配置もロケ地も光の入り具合も完全に決まっている。
物語はなかなかダーク。近親相姦に加え、撮影した映像を売りまくったという。それを知ったうえで、終盤のれんの独白と共に自分の体に鞭打つシーンが泣けてくるし、狂気。後ろの岩の影が何とも言えない気持ちになる。村木に気に入られるために、父親のように自分の体に鞭を打てるまでに、精神は追い詰められている。もう心も身体も崩壊していたと知る。それゆえに、心の底から愛してくれる村木を裏切ってしまう。
ただ、その鞭打つシーンが長すぎて、映画全体のバランスが悪くなったのはマイナス。ディレクターズカット版だからか!?
れんを演じた佐藤寛子のヌードは大変素晴らしい。エロスをしっかりと感じさせる。その一方で、演技が残念だが、脇を固める役者がしっかりしているので、問題ない。
エロスをしっかりと撮れる監督がいい作品を撮れるんだ。
トゥーン

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