tak

花と蛇のtakのレビュー・感想・評価

花と蛇(2003年製作の映画)
2.9
配偶者が不在の日にこっそり観ました。だって!どんなんか観てみたかったんだもん!(開き直り)。

映画雑誌で「団鬼六=縛りもの」という知識を高校時代に得た私。しかし当時そうした映画を観る機会も勇気もなく、それにいたぶられる女性を見ることは正直嫌いなので、SM映画なんて縁のない世界だったのです、ハイ。ところが。毎週のように週刊誌で話題となり、杉本彩主演で石井隆監督ですよ。だんだん興味をもたずにはいられなくなり、意を決してレンタル店へ。

・・・・。えーと、「凄い」としか言えない。撮影しても使えないフィルムがかなりあったと聞く。でもそれはスタッフやキャストの熱意なんだと思えた。ストーリーとビジュアルに圧倒。これを映画館で観ていたら、ゴクリと生唾飲む音があちこちで聞こえたんだろか。

エロばっかりじゃなくて、次々と関係者が殺されたり、ヒロインのボディーガード役の女性も徹底的にいたぶられたり、キツい場面も多い。もうそのくらいで・・・と画面に向かってつぶやくこと数回。だったら観るのをやめればいいのだけれど(汗)。円形劇場でのSMプレイの数々は、もはや演技ではない。あそこまで自由にさせた杉本彩の勇気に正直敬意を表します。

ともあれ、精神的にも性的にも抑圧されていた女性が、常識では考えられない体験を通じてある意味解き放たれる。仮面舞踏会でヒロインが踊るラストシーン。それは周囲から単に美しい、綺麗だとしか言われる存在でしかなかった花が、自ら飛び回る蝶になった瞬間なのだ。
tak

tak