てる

ウォッチメンのてるのレビュー・感想・評価

ウォッチメン(2009年製作の映画)
3.7
大人のヒーロー映画。ビターです。ノンシュガーなヒーロー作品でした。
超常的なパワーを持っているのかしら? 一般の人よりは遥かに強いのだけど、特別な超能力とかを持っている人はいなさそう。唯一特殊なのはDr.マンハッタンだけ。みんなほぼ普通の人間なので、その為かやけに人間臭くて、ドロドロギスギスしている。アクションも肉弾戦ばっかだし。ヒーローの面々もそう名乗っていなければ、犯罪者と変わらないようなギリギリな人ばかり。コメディアンとかロールシャッハにいたって完全に犯罪者だ。これがドラマだったら途中で観るのを辞めていることだろう。映画でよかった。長いけどね。
この話のキーマンは何と言ってもDr.マンハッタン。作中でも1人だけ異端である超能力者。彼が戦争を終わらせたと言っても過言ではない。人間兵器なのだ。この作品が始まったのも終わらせたのも彼がいたからであって、ある意味傍迷惑な存在だ。その彼を上手く使って話を組み立てたなぁと思う。最後そういう終わらせ方するのかぁって驚いた。やはりヒーローはヒーローであったわけだ。やり方は決してヒーローではない。とはいえ、この作品の終わらせ方としては満点だ。どこまでもビターで誰もが納得する終わり方ではない。何というかそういう完璧ではない達成の仕方が人間臭くて好感を持てる。
シナリオがとても巧みだった。ヒーローであり、ハードボイルドであり、SFであり、恋愛もある。大好きな作品とはとても言えないが、面白い作品であった。マーベルのヒーローに飽きた人にオススメしたい。
てる

てる