すみそ

ジュリエット・ビノシュ in ラヴァーズ・ダイアリーのすみそのネタバレレビュー・内容・結末

2.9

このレビューはネタバレを含みます

繊細な映画といえば繊細なんだけれども、心境の変化がどうも分かりにくい。
主人公は売春をしている女子大学生と一緒にいる時だけ、思いっきり笑顔になる様子が描かれるが、自宅に帰ると重い顔をして夫婦関係も悪く、息子とも分かり合えていない。唯一、性にまだ目覚めていない幼い息子にだけ心を許しているよう。
てっきり取材を通して、仕事にだけ向き合っていた自分を見直し夫婦愛を修復していくとか、息子にも言われていたが自分に正直になるとか、もう少し物語に動きがほしかった。
最後の食卓シーンで、まるで飾りのように主人公が写されるが、妻という立場でしか見られていない、「女は誰もが娼婦だってこと?」と主人公のセリフがあるが女性を性の対象にしか見ていないなど、女性の立場を問題視する作品だとしても、表面的過ぎて弱過ぎるのでは。
観る人によって解釈ができるような作りにしているのかも知れないが、映画の着地点をもう少し定めてほしい。
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