Ryo

トゥ・ザ・ワンダーのRyoのレビュー・感想・評価

トゥ・ザ・ワンダー(2012年製作の映画)
3.8
美しい映像の連続

■テレンスマリックの人生
テレンスマリックは天国の日々を撮った後次の映画の撮影がきまってるにも関わらず逃亡し約20年間行方不明となっていた。その際フランスで過ごしていたテレンスマリックの告白という形でこの映画を作っている。フランスで恋に落ちてアメリカに連れてくるも上手くいかず別れる。その後は地元の幼馴染と結婚している。

■太陽の意味
太陽とは生命の源でありそれは神であるという認識からテレンスマリックは太陽=神というメタファーで撮影している。

■トルストイの哲学
テレンスマリックはトルストイの影響を受けてからか、貧しかったり教育のない者こそ自然と一体になり神と近い存在であると考えており、今作ではそれが強く象徴されている

■神父の意味は?
神父という職業柄悩める者の話を聞き赦しを与えている。しかしそゆな神父もたまには話を聞きたくない時があるということも描写されている。
これは主人公が妻とほとんど話をしていないのと対比させて描かれている。地質汚染についても話を聞いてるだけで改善しようとはしていないが神父は真摯に話を聞き向き合っている。

監督自体主人公のように寡黙でコミュニケーションを取らなかったらしく対比として神父を登場させている。


■絵を切って並べているシーンは?
フランスという芸術の街から一気に田舎の小さな街に来た主人公の彼女は絵を切って窓に貼っている。
そこに被せて神父のモノローグ「我々は渇いているんだ」
まさにそのままのメッセージです。


■モンサンミッシェルの意味は?
西洋の七不思議に入っているモンサンミッシェル。不思議の英語訳、モンサンミッシェルの名前の意味はどちらもタイトルにある「ワンダー」である。

■メッセージは?
妻の孤独に気づけなかった監督の贖罪としての映画
そして自由。
Ryo

Ryo