JT

トゥ・ザ・ワンダーのJTのレビュー・感想・評価

トゥ・ザ・ワンダー(2012年製作の映画)
4.0
ふたり手を伸ばして真実を探す
未開に昇り、不思議に触れ、驚異へ

2019 . 103 - 『 TO THE WONDER 』

脈絡のない映像、詩と絵と音だけが生きている
物語も説明もなにもない、瞬間だけが流れだす
溢れ出る言葉を噛みしめて、絵画のような景色を目に焼き付けて、この上ない音楽に身を委ねて、ただ求める
生きたい世界、見たい風景、感じたい感情、与えたい愛情、生涯に必要であろうものがここにあった
つまりは驚異だ、手の届かないものへ捧げる愛だ
愛は手にしてしまったら愛でなくなるのか、手にできないから愛なのか、愛という不思議を愛しているのか
それでも、与え合う男女と、探し求める人々がいる
手に入らなくても手を伸ばす我々もまた驚異なのだ

現代でこんな映画を撮れるのはテレンス・マリックだけ。
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