〈モン・サン・ミシェルから始まる激しい恋〉
タイトルの“To the Wonder”は、モン・サン・ミシェルの異名である“Wonder of the Western World(西洋の脅威)”に由来しているという。
体を絡めあっているかと思えば、喧嘩をはじめる。その繰り返し。やはり本作もテレンス・マリック自身の経験を昇華したものらしい。具体性を排した懐古の旅。アルバムを高速で繰っているような感覚だ。
『ツリー・オブ・ライフ』と『聖杯たちの騎士』のちょうど中間の難易度。好きか嫌いかで言えば好きだが、好きか嫌いかで言えば好きな映画にとどまる。